Asahiflex ⅡB

撮影編

一眼レフの革命遂に成る‼︎

画期的な“クイックリターン機構”のAsahiflex Ⅱ型…新設計による世界最初の5枚構成「タクマーf2.4 58m」をも標準レンズとして用意しております。
———–↑当時の旭光学の広告より↑———–

1954年11月にシャッターのリリースと同時に一旦跳ね上がったミラーが自動で戻るAsahiflex ⅡBが発売となりました。旭光学による特許申請は認められなかったようで、その後の一眼レフには他メーカー製品を含め搭載されていくようになった一眼レフ三種の神器の一つ「クイックリターンミラー」です。

ペンタプリズムではく単純にミラーで90度方向を変えているだけなので二眼レフのように上から覗いて構図を決めたりピント合わせをしたりします(鏡像なので左右反転です)。さすがに小さな画面でのピント合わせは難しいので折りたたみ式のルーペがファインダーについています。上から覗くので横長撮影が基本になります。縦長で撮るにはピント合わせはマニュアルで行いビューファインダーを使って撮る感じになります。

かなり程度の良い個体を春先に入手できたのですが、菖蒲の画像を見ていただくと解るように高速でシャッターを切ると右側が暗くなってしまいました。この機種は布幕フォーカルプレーンシャッターで布製の遮光膜2枚が同じ速度で時間差で動きその時間差でシャッタースピードを調整しています。高速シャッターでは露光面の全体を露出させることはなく先に走る幕(先幕)と後から走る幕(後幕)の間のスリット間隔で露光量を調整します。(幕速は先幕・後幕とも同じで一定であることが必要)後幕が先幕より早いと後幕が追いついてスリットが閉じてしまうため菖蒲の画像のように未露光の部分ができてしまいます。幕速の調整が必要なのですが私の技術と保有機器では難しいので旭光学製品の修理では有名なH工作所さんに他の機構も含めて整備・調整していただきました。
レンズもキレイになり、大切に使用して大切に保管して次世代に渡せるようにしなければ、と思えるほど極めて良い状態になりました

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