以前にもご紹介した重要科学技術史資料「未来技術遺産」。今回は2020年登録
00289 オリンパス OM-1(発売当初の名称は「M-1」)
OM-1はヒット商品だったのでご存じの方や実際に手にされた方も多いのではないでしょうか?中古品市場に今も多く出回っています。選定理由は
「ボディー単体で1972年当時の平均的な一眼レフカメラの2/3(体積比)とい う小型化を実現した一眼レフカメラ。小型軽量化による機動性を実現する ために、大胆にパーツレイアウトを変更し、フィルム感度切替ダイアルを 従来のシャッターダイアルの位置に移し、比較的大型な測光用メーターを その下に備え、シャッター機構をミラーボックス底部に移すなど小型化を 図った。また、ピントグラスの上に必須とされていたコンデンサーレンズ をペンタプリズムと一体化し、ビス材質を真鍮から鉄に変更するなど軽量 化も進めた。一眼レフの欠点の一つであったミラー駆動時のショックを軽 減するダンパーの装備なども含め、その後の一眼レフカメラの流れに大き な影響を与えた機種として重要である。」
ということになっています。
対照的な機種として前年の1971年発売のCanon F-1と並べてみると違いが際立ちますね。レンズを外して重さを実際に量ってみると大体60%くらい。小型軽量ということで1976年にPENTAXが元祖小型軽量のメンツをかけて発売したMXと比べてみるとシャッター音はOM-1が圧倒的に静かですがサイズは
OM-1 136 ×83 ×50 mm 490g
MX 135.5×82.5×49.5mm 495g
F-1 147 × 99× 43mm 820g (参考)
数字を見るだけでヒリヒリするような当時の技術開発競争を感じることができますね。
G.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5
実写画像です。露出計は代替バッテリー(電圧が若干異なる)を使用するので調整を入れたのですが、ちょっとやりすぎてかなり露光オーバーになりました。ソフトで調整しています。絞りを優先して露出をシャッタースピードで合わせにいくと少し操作しづらい感じもしましたが、それ以外は小型軽量ということもあって軽快に楽しく撮れるカメラですね。ベストセラーになったのも納得です。フォーカシングスクリーンは全面マットを使用しましたが広角・絞り込みが多かったので不自由なかったです。
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