いわゆるイノベーションのジレンマに陥ってしまったためか、他社よりだいぶ遅れてバヨネットマウントに切り替えた旭光学/ASAHI PENTAX。私の初めての自分のカメラは旭光学最初のバヨネット機KXだったのですがKXを含めたKM/K2のKシリーズはあまり売れなかったように記憶しています。
そのためかKシリーズ発売の翌年末には早くも当時の人気機種OLIMPUS OM-1よりちょっとだけ小型のMシリーズが投入されました。レンズもsmc PENTAX-Mシリーズとして一新。一年半前にKXを手にした私はちょっと騙されたような気持ちにもなりました。
1976年は大ベストセラー機であるCANON AE-1が発売された年でもあり、日本のメーカー各社が激しい競争をしていた時代。結局ペンタックスはSPで見せたような華やかな成功を収めることはできませんでした。とは言えMシリーズは良いカメラであることは間違いありません。現在は機械式のMXが中古市場で人気ですが電子シャッターのMEも程度の良い個体が市場に残っています。ただ小型軽量化を金属ボディーで実現しようとしたためボディー強度は強くはなく中々凹みのない個体を探すのは難しいように思います。
こちらブラックボディーのMEはきれいなボディなのですが入手した時はシャッターチャージができたりできなかったり・・・という状態でした。電子化が進んだ機種を自分で触るのはちょっと怖いのでH工作所さんに修理をお願いしました。
退院したMEは極めて快調、九州遠征にズームレンズ2本と共に持っていきました。小型軽量は旅にはとてもありがたいです。手にとってちょっと戸惑うのはシャッタースピードのダイヤルが無いことでしょうか。絞り優先AE専用機(マニュアル撮影もできない)という思い切った設計です。今回は動きのある被写体は撮っていないこともあり露出調整に慣れればストレスなく撮影できました。シャッタースピード優先のAE-1とは写真に対する考え方の違いが明確にあるようで中々興味深いです。OM-2もそのうち入手して撮り比べをしてみたいですね。
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