Carl Zeiss Jena WERRA
Tessar 50mm F2.8, PRESTOR RVS
Zeiss Ikonではなく戦後東ドイツでCarl Zeiss Jenaが自ら製造した珍しいカメラ。
西側との法廷闘争でCarl Zeiss の商標が使えなかったためか、本体にはJena, T(コーティング?)の表記しかなくCarlもZeissもTessarも見当たりません。そのかわりGütezeichen der DDR 東ドイツ品質証1Qマークが刻印されてます。大戦後の東西分割や米ソによる技術者・職人・製造設備・図面の争奪戦を経て東ドイツに残った(戻った)技術者や職人の方々の事を思うと刻印一つにも何かを感じてしまいます。当機はシリアル番号、1/750まであるPRESTOR RVSシャッター、ファインダーなどから判断すると多分1961年製のWERRA 1の後期モデルだと思います。外見は超シンプル。シンプル過ぎてダイヤル類はおろか、巻上げノブもレバーも見当たりません。このカメラ、レンズの根元を回す事でフィルムを巻上げシャッターをチャージします。
レンズカバーは外してキャップを外して逆向きに取り付けてフードにに。このモデルのファインダーは素通し距離計も露出系もなし。それでもレンズはTessar、とても良く写ります。
快晴順光、素直な写りですね
透過光、、、硬すぎず柔らか過ぎず
陰日向、よく持ち堪えています
曇天下、鮮やかな発色と素直なボケ
特にフードをつけた時の姿はカッコいいとは言い難いですが、実際に手に取って撮影してみて良さのわかる楽しいカメラです。比較的市場に良い状態のものも多く出回っているようで価格も手頃。みなさまもいかがでしょう?
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